なぜ人はスポーツを見るのでしょうか。私にとって、それは長い間の疑問でした。
細かく書き出すと非常に長くなるので、手短に行きます。
まず、お題をいくつかに言い換えます。
「人はなぜスポーツ観戦をするのか。」
「プロ野球の何が面白いのか?」
「スポーツ観戦に興味がない人がいるのはなぜか?」
「なぜスポーツ観戦は面白いのか」
「スポーツ観戦が好きな人の特徴」
それでは本題の、スポーツを見る理由です。
理由その1
人間は本能的に、狩りに似た行動に注目してしまう。
ヤリや石のようなものを遠くに投げる(飛ばす)ことを良しとする。
集団で獲物を追い詰めるのに似た行動に興奮する。
本来は縄張り争いやメスの取り合いのためにある闘争本能が刺激され、興奮する。→格闘技や陣地のあるスポーツ。
理由その2
代償行為だから。
戦後間もない日本では、街頭テレビでプロレス中継をしていた。
そこでは、力道山が悪役外国人レスラーを空手チョップで倒す姿が映っていた。
言わずもがなだが、戦争に負けた日本において、力道山という元力士の「日本人」が空手という日本の技で、ずるい外国人をやっつけるのである。
私は、日本におけるスポーツ観戦の真骨頂はこの時だと思っている。
代償行為とは、"ある欲求が満たされない場合に、その欲求を別の対象・形式によって代理的に満たそうとする行為"だという。
現在のスポーツ観戦もまさにこれにつきるだろうと思われる。
自分にはない肉体的魅力、超人的動作、頼れる仲間、たくさんの人からの称賛、勝利、富と栄光を、自分に置き換えて快楽を得ているのだ。
特に、自分が感情移入している地元のチームや、日本人選手が勝つと、自分は何もしていないのにスカッとしてしまうのだ。
理由3
環境音楽を聴くかのようにボーっと見ている。
特に興味のないスポーツ番組でも、なんとなく1時間くらい見ていたりすることもあります。
理由その4
自分も取り組んでいるスポーツなので、参考のために見ている。
理由その5
性的好奇心で見ている。
特に、肌の露出の多い女子スポーツを男性が見ているときにこの理由が多い、と思っていましたが、実際はその逆もあれば同性の場合もあります。
以上。
ほとんどの人が理由1と2であろうが、いずれにしても「スポーツ観戦は素晴らしいものだ」と褒め称えられるほどのことではないと思われる。
理由4のように、参考にするために見て、怪我の防止などにつながれば悪くはないが、もっと専門的な解説映像を見たほうが良いと思われる。
ちなみに、こういう話をすると「それはお前がスポーツに興味がないからだろ」と言われる。しかし、私はスポーツを日常的に行っています(スポーツ自体は、それほど体によくないので、誇れるものでもありませんが、それはまた別の機会に)。
つまり「スポーツ観戦が好き=スポーツをするのが好き」ではなく、「スポーツ観戦に興味がない=スポーツに興味がない」でもない。
実際、ビールを飲みながら野球を見てる太った男性が、自分のことをスポーツマンだと認識していることがありますが、実際は自分の体を動かすことが嫌いで、10年以上運動していなかったりします。
代償行為が進むと現実と混同してしまうのです。